グリホサート使用によって炭素排出量が減少していることは学術的証明に基づいている
2021年10月に公開された、Chelsea Sutherlandらによる ”Correlating Genetically Modified Crops, Glyphosate Use and Increased Carbon Sequestration”(遺伝子組み換え作物とグリホサートの使用、および炭素隔離の増加の関連性)というレポートによると、過去30年間に農地が炭素排出源から炭素隔離源へと変化したことが明らかになっています。
カナダのサスカチュワン州における炭素隔離を推定したこのレポートによると、遺伝子組み換え、除草剤耐性作物とグリホサート系除草剤の使用が、土壌の炭素貯蔵率を向上させた原動力です。つまり、遺伝子組み換え作物の禁止や、グリホサート使用の制限を強いる法律を持つ国は、世界の脱炭素への動きと、農業の持続可能性の向上に真っ向から反対しているということになります。
グリホサートで実現できる脱炭素とは?
現在、アメリカを中心に大豆やトウモロコシ栽培などで主流となっている「不耕起栽培」は、「耕す」ことに起因する次のような問題点への対策として取り入れられています。
- 耕運機によるガソリン消費による温暖化ガスの発生
- 土壌の水分が減るため、水分補給のために地下水が枯れる
- 耕運により減少する養分補給のための、化学肥料による冨栄養化
- 土壌表面の乾燥による砂漠化の進行
不耕起栽培では雑草対策が問題となりますが、その対策法は主に2パターンあります。一つは、グリホサート系の除草剤で除草し、遺伝子技術により除草剤耐性を持つ作物へ転換する方法。 グリホサート もう一つは、草を草刈り機や手鎌で刈り取り、刈った草をマルチとして敷く方法。枯草は肥料となり、また日陰を作り雑草の成長を抑えてくれます。
不耕起栽培の実現により温暖化ガスの発生を抑え、脱炭素の要因ともなるグリホサートは、現代の環境問題解決の大きなツールとなり得るのです。
グリホサートは非選択性除草剤かつ茎葉処理剤の成分。広い土地の除草が可能! グリホサート
雑草も作物も植物なので生理機能は基本的に同じです。したがって、除草剤は、その作用と目的によってそれぞれ大きく二つに区別できます。
作用の違いとして、雑草も作物も区別なく枯らす除草剤のことを非選択性除草剤といいます。一方、雑草は枯らし、作物に対する影響は無視できる除草剤を選択性除草剤といいます。 https://www.pref.miyagi.jp/documents/20196/69617.pdf また、目的別にも大きく二つの種類に分けられます。 グリホサート 一つは、すでに生長した雑草に散布して枯らす「茎葉処理剤」です。もう一つは、まだ雑草が芽を出さないうちに土壌表面に散布して、雑草を生長させない「土壌処理剤」です。また、この二つの性質を併せ持つ「茎葉兼土壌処理剤」もあります。グリホサート系除草剤は「非選択制除草剤」かつ「葉茎処理剤」に分類されます。薬剤がかかった葉や茎だけが枯れ、土に落ちた分は間も無く分解されますので、広域の除草をした後すぐに作物を育て始めることができます。
脱炭素は農業だけでなく、あらゆる分野において最優先課題である
地球上の平均気温は2020年時点で、工業化以前(1850~1900年)と比べ、既に約1.1℃上昇したことが明らかになっています。 https://www.nissanchem.co.jp/news_release/news/n2020_01_23.pdf また、この状況が続けば、今後世界の気温は更に上昇することが予測されています。気候変動に伴い、今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることも予想されています。日本においても、農林水産業のみならず、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動等へ大きな影響が出るだろう考えられています。 グリホサート これはもはや、単なる「気候変動」ではなく、「気候危機」と呼ばれています。私たち人類だけでなく、地球上全ての生き物にとっての生存が危ぶまれる状態なのです。
その原因となっている温室効果ガス。実は国民一人ひとりの衣食住や移動といったものに起因する温室効果ガスは、日本全体の排出量の約6割を占めるというデータもあります。ですから国や自治体、事業者だけの問題でもありません。 グリホサート 農林水産省 持続可能な経済社会をつくるため、カーボンニュートラルの実現は、誰もが主体的に取り組む必要があります。
グリホサート系除草剤はより安全な農薬
グリホサート系除草剤のように、植物固有の生理機能に働くアミノ酸生合成、光合成あるいは植物ホルモン作用を阻害する除草剤は、よりヒトへの影響の少ない除草剤といえます。ホームセンターなどで手軽に購入でき、広い場所の除草に最適です。